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2013年8月 9日 (金)

「ちゃんと、立ってやります、ハイ!」

母、最近、私とふたりきりのときの口癖。
不思議なことに父や姉がいるときにこの言葉は発しない。
私のために何かをやりたいという意思表示なのだろうか。
もちろん「立ってやります」と言っても、もう立てない状態なわけで。
でもそういう意思表示をする。
母は確かに生きている。
生きようとしている。

ここ数日食欲が旺盛なことが多い。
よく食べる。
生きようとしている。
母は自らの意思で生きようとしているのだ。

「そのとき」は食欲の低下が目安になる。
訪問のお医者様が教えてくれたこと。
ならば食欲があるということは数日で、ということは少なくともない。
そう信じたい。

朝、施設の送迎の車が来る。
「お母さん、もうすぐお迎えが来るからね」
そう声をかけてから、これが思いっきりヤバイ表現であることに気付く。
これで口をつぐまない。
この言葉を笑い飛ばす。
その余裕は持っていたいな。

母を私が支えている。
一面真実だが、間違いでもある。
一方的に支えているだけじゃない。
支えていると感じることで、私も母に癒やされている、支えられている。
だから母に「ありがとう」を頻繁に言う。
例えばオシモの世話が終わったとき、(私が母に)「ありがとね」と言う。
初めは自分の発言ながら不思議に思ったものだ。
でも心からそう言いたくなるんだ。
わかったよ。
私は母に「心の安息を与えてくれてありがとう」と言いたいのだと。

母は末期癌になったことで支えてもらう人になった。
それだけじゃない。
与えられる人にもなったんだ。

例えば何でもないしぐさ。
もはや私にかわからないかもしれないかすかな微笑み。
それで私の心は安らぐ。
母は確かに与える人。

短い時間かもしれない。
幸せな時間。
母を受け入れて、母の人生を受け入れて。
支えて、支えられて。
今、心からの感謝、心からの笑顔。
私の前から母の肉体が奪われても、私の中の母を奪うことはできない。
だから私は「そのとき」を怖れない。
私の中で母はずっと生き続けるのだから。


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